クリスマスケーキの苦い思い出

 数年前にも綴ったかもしれませんが、子供の頃はクリスマスイブのケーキがとても楽しみでした。でも当時は裕福ではない時代です。さらに5人家族のため、一人分がシュートケーキ程度でした。大きくなるにつれ、一度でいいから思いっきり食べたい、独り占めしたいと思っていました。就職して最初のクリスマスに大きなデコレーションケーキを購入し、子供の頃の念願が叶う時が来ました。独り占めできる嬉しさは言葉に表せないほどでした。最初の一口目の美味しかったこと。大袈裟ですが感動で涙が出そうでした。二口目、三口目と快調に進みます。「あー、幸せだ」と感じていました。しかし徐々にクリームの甘さに飽き始めたのです。そして最後は気持ち悪くなり半分も消化することもできませんでした。次の日も残りにチャレンジしましたが少ししか受け付けず、結局3分の1ほど捨てる結果になったのです。「過ぎたるは及ばざるがごとし」ですね。それからしばらくケーキを見るのも嫌になったほどです。『クリスマスケーキの苦い思い出』です。