2021年から千葉県の公立高校入試が変更されています。
・2020年までは、2回受験ができました。
・2021年からは1回だけの受験に変更されました。
・中学校での指導を厚くするための制度変更です。
詳しい内容を以下にまとめました。
2021年から入試の前後期制が廃止され一本化されています。
この入試は「一般入学者選抜」または「本試験」と呼ばれます。
こちらが発表されている2023年千葉県公立高校入試のタイムスケジュールです。
試験は2日間で行われます。
・1日目…国語、数学、英語(3科目)
・2日目…理科、社会(2科目)
そして各高校が定める検査が行われます。
※現在、新型コロナウィルス感染拡大防止の為、当初の予定から受付・点呼の時間が10分から20分に延長され、科目間の休憩時間も20分から30分に延長されています。
※英語の試験時間のみ60分です。
昨今話題になっているコロナウイルスや、受験の時期に流行するインフルエンザ。
こうした病気になってしまったり、怪我等で本試験が受けられなかった場合には、追試験が受けられます。
追試験は本試験と合格発表の間に、1日で行われます。
検査は志望する高校で行われ、試験内容は「本検査に準じて」実施となっています。
「各高校が定める検査」の実施は、各校高校ごとに定められることになっています。
合格発表は、本試験と追試験をあわせて行われます。
「志願変更」とは、願書を出して各高校の志願倍率を確認した後で、志望校を変更することです。
「安全圏で志願していたけど、倍率を見てチャレンジ校に志望を引き上げる」ということや、「どうしても公立がいいから、倍率を見て安全圏に下げる」といったことが可能になります。
入試ではどういった基準で合格が決まるのでしょうか。
合格を決める3つの要素は、
①「調査書の評定の全学年の合計値」
およびその他の記載事項」
+
②「学力試験の成績」
+
③「各高校で実施された検査の結果」です。
これらを各高校が総合的に判定して入学者の選抜を行います。
ひとつずつ見ていきましょう。
「調査書の評定の全学年の合計値」
これは、いわゆる「通知表」の成績のことです。
通知表の評定は1~5で、技能科目も含めて9科目あります。これが3学年分。
すなわち
中学1年:評定5×9科目×45点
中学2年:評定5×9科目×45点
中学3年:評定5×9科目×45点
45点満点×3学年=135点満点です。
「その他の記載事項」
部活動の成績、委員会活動、生徒会活動、ボランティア活動、さらには「行動の記録」(自主・自立、や責任感、協力といった欄に○がついているところ)までも考慮されます。
これが曲者でして、各高校ごとに、点数化の方法や、評価基準がバラバラです。まったく考慮されないこともあります。それでも、点数化されるようになってからは、だいぶ透明度が上がったのですが…。
「その他の記載事項」の点数化に関しては、高校により大きな差があります。
志望校の評価基準は、各高校のホームページ等で公表されます。発表され次第、しっかりと確認しておきましょう。
★審議対象
「審議対象」とは、たとえ合格点に達していたとしても、「この生徒は入学させるか否か」という審議の対象になるということです。もっとも、審議対象になってしまう生徒が合格点に達するのは難しいと思いますし、「審議対象」となる場合には、合格自体が厳しい、と捉えても差し支えないでしょう。
こちらも各高校ごとに定められますが、一般に、中学3年間の成績で「1」がついた場合や、行動の記録に1つも○がついていない場合、また、欠席日数が著しく多い場合等が審議対象になっていることが多いようです。
調査書の扱いは、前述のように、学校ごとに異なりますが、このようなタイプがあります。
【調査書重視型】
調査書の結果を重視する高校があります。
調査書の結果を2倍にして計算したり、あるいは皆勤、部活動や特別活動での加算が大きいこともあります。
また、行動の記録の○1つに付き○点加算、という場合も。
【学力重視型】
行動の記録の加点等を一切行わず、当日の学力検査点を重視する高校もあります。
どちらかといえば、上位校に多い傾向です。
135点満点の通知表の結果を0.5倍する高校もあります。
1日目と2日目、5科目学力試験の成績は、全科目100点満点の合計500点です。
しかし、専門科に関しては注意が必要です、理数科は理数の点数を1.5倍にして算出したり、英語科や国際科では英語の成績を1.5倍にしたりする「傾斜配点」が行われることもあります。
こちらも、学力試験で0点や5点以下の科目がある、といった状況ですと、審議対象になることがあります。
本検査2日めに、【面接、集団討論、自己表現、作文、小論文、適性検査、学校独自問題、その他の検査】から1つ以上が実施され、評価の対象となります。
こちらの試験内容や、点数化のルールも、高校により大きく異なっていますので、事前にしっかり把握しておく必要があります。
注意しなければならないのは、場合によっては、この点数で学力試験の結果がひっくり返ってしまうこともあるということです。
この項目で200点、それ以上の加算が出来る高校もあれば、満点でも30点にしかならないところもあります。
※ちなみに千葉高校はH31前期入試では作文の加点は5点だそうです…。
どんな算出方法にせよ、公平で透明性のある選抜方法であってほしいと心から思います。
今までの入試でも言えることで、受験の対策には大きな違いは殆どありません。
まずは、中学1年生から通知表の成績を意識して上げる、ということです。
そのために必要なことは、「定期テストの点数を上げる」ことです。
NPSでは、中学1年生から、英数だけでなく理社国の指導も行っており、おすすめしています。公立高校入試は5科目勝負!特に定期テスト前は、各校舎とも、テスト特訓等を行って、生徒さんを全面的にバックアップしています。テストの点数は上がっても通知表がなかなか上がらない…という生徒さん。提出物や授業態度は大丈夫ですか?
家庭科、音楽、技術、体育も甘く見ないこと!
そしてテストが終わったら終わり、にしないことです。出来ないところを早めに潰しておきましょう。
テスト後はNPSで成績を回収。講習時などではしっかり単元の復習を行います。テスト勉強=入試対策なのです。
千葉県教育委員会が発表した、「学力検査問題の出題方針と特徴」には、こんな記述がありました。
「正確な理解度」をみる問題を設定した
「思考力、判断力、表現力」を総合的にみることが出来る問題を設定した
上記2点を柱に「自ら学び、思考し、表現する力」をみる問題を充実させた
とのこと。
「理科と社会は暗記科目ですよね」とか、
「英語は単語さえ覚えれば何とかなる」とか、
「数学は計算ができれば大丈夫じゃないか」と しばしば言われますし、聞かれます。
これから必要とされる学力は、そうではありません。全然足りないのです。
「なんでそうするのか」 「なぜそうなるのか」 「どうしてそう考えたのか」
しっかり考えて、理解する、表現する。
どれも、入試直前からでは身につきません。
早い段階から、入試に向けての勉強、対策をしていきましょう!