携帯電話

私は昭和の生まれです。携帯電話が広まる前の話を書きます。大学時代は4畳半のトイレ共用・風呂なしのアパート住まいでした。固定電話をひくには、9万円くらいかかったように思いますが、当然貧乏学生にはそんなお金はありません。アパートに呼び出し電話(大家さんの電話)がある友人には、公衆電話から。実家にも公衆電話から。100円玉や10円玉を電話の上に積んで話していたものです。これを読んでいる方はどんなに不自由だっただろうと思われるかもしれませんが、良いこともあったのですよ。

今みたいに、連絡相手がどんな状況下にあろうが我関せず的に電話もメールも送られてきたりはしませんから、気持ちがゆったりしていたような気がします。逆に言えば、今の状況に少し腹が立っています。仕事上で同僚や御父兄からメールが届いたりしますが、勤務中は当然のことでありすぐに対応します。しかし、たまの休日をとっているときも矢継ぎ早にメールや電話がくると、これはもう休みでもなんでもない。いっそ職場に行って直接自分で行なったほうが早いのではと思われるような休日もありました。携帯・メールは便利ではありますが、送る相手のことまで考えて利用していらっしゃいますか。こんな時間帯に電話したら失礼になるとか、相手が忙しくしているかも…とか慎みの心みたいなものが薄れているように思えてならないのです。

大学時代まで、携帯なんてなくて本当に幸せだったと逆におもいます。

                                    安食校 あっしー