科学的なデマ

フェイクニュースという言葉が聞かれるような時代になりました。

世の中には根も葉もない噂や、悪意を持ったデマなどがたくさんあふれています。一人一人が注意しないといけないとわかっていても思わず「えっ!」と焦ってしまうことも多いものです。

「巧妙に操作され科学的な響きを持つ情報」に直面したとき、私たちは暗示にかかりやすいと言われています。有名な事件が1980年代にあった「一酸化二水素(DHMO)の危険性」です。

一酸化二水素という物質が最悪クラスの毒物で、体内に入ると命に関わることがあるというデマが流れました。しかし、一酸化二水素は、動物実験や原子力発電に必要不可欠で、権力により隠蔽され続けてきていた。私たちは知らないうちに一酸化二水素を摂取しているという噂です。

真相は、すべてデタラメで一酸化二水素とはH2O(水)のことです。しかも、もともとはエイプリルフールの冗談だったそうなのです。当時の人々は、真実を知らないまま、DHMOが何なのか知らないまま禁止のためのデモや集会を起こしていました。

現代の私たちの生活の中にも、このような一見科学的なデマがあると思います。科学的なものの見方というと堅苦しく思われそうですが、中学・高校で学ぶ勉強にはこれらのデマに対する知識がたくさん含まれています。理科とか数学とかあまり嫌いにならないで少しでも多くの知識を身につけていけるといいと思います。

大山