甍の波

 今日は5/5のこどもの日。端午の節句です。私の子供の頃はこの日に向けて早くから鯉のぼりを上げ、鎧や兜といった五月人形を飾り、ちまきや柏餅を食べたものです。あちこちに鯉のぼりが泳ぐ姿を見かけるので甍の波と言われました。しかし最近は都会ではほとんどこの風景を見ることがなくなりました。鯉のぼりを立てる土地が昔ほどないことも一因かもしれませんが、聞くところによると風車がうるさい、自分の敷地内に隣人の鯉のぼりがかかるのを嫌がりクレームを言う人が少なくないらしいのです。心が狭いというのか自分だけが良ければいいのかわかりませんが、とてもさみしいばかりです。話は少し異なりますが幼稚園がうるさいというクレームも同様なのかもしれません。近隣にだれが住んでいるのかも知らない。興味を持たない。自治会などに入らず地域社会と交わらない。自分の権利ばかり主張する。「お互い様」という言葉は死語となったのでしょうか。「甍の波に雲の波」という唱歌の一節が風化することのないことを祈ってやみません。