成田は『鰻』で有名だそうです。成田に20年以上住んでいるのに伝聞形なのは『鰻』にそれほど興味がないからです。理由はまず私が子供の頃は北海道では食べる習慣がなかった?ような記憶があります。いえ高級すぎて手が出なかったのかもしれません。私が初めて食べたのは父が癌で入院した際に、会社役員で父の弟であった叔父が、長男である私に高校進学を断念させるために御馳走してくれたときのことです。重い話と貧しい公務員の息子で高級な食事など食べたことがない私を不憫に思ったかどうかわかりませんが、自分には高級すぎるものでした。ただ小骨が入っていたため小骨嫌いな私には初めて食する鰻がどうしても美味しく感じられず、やっとの思いで完食した記憶があり、そのトラウマから大人になっても『鰻』を敬遠していました。年齢による好みの変化で近年ようやく食べる機会が増えつつありますが、自ら食べることはほとんどありません。「雀百まで踊り忘れず」とは少し大袈裟でしょうか…。たまに付き合いで『鰻』を食べに行くと、30年以上前に亡くなった叔父の顔とともに当時のことが思い出されます。