他企業に学ぶ② コメリ

 今回は新潟県三条市発祥の『コメリ』です。沖縄県を除く46都道府県に、すべて直営の1207店舗を展開し、今や「農家のコンビニ」と称され、ホームセンター業界で異彩を放っています。人口が少なくても出店できる低コストの店舗経営がベースにあるのです。驚きなのは商圏人口が1万人です。業界首位のカインズの3万人に対して圧倒的に少ないのです。ちなみにコンビニは3000人、ドラッグストアーが2万人ですから、他社が出店をためらうような地域に展開している証左です。昨年よりJA(農協)との協業が進み、JA上伊那は不採算の5店舗を閉鎖し、同地域のコメリ8店舗に組合員向けの専売商品を販売してもらう契約を交わし、JAに変わる存在になりつつあります。店舗内作業の削減を進めるだけではなく、「農業アドバイザー」と呼ばれる独自のプロを育成して配置しています。また「マイスター制度」を作って、全従業員を対象に専門知識の研修を実施するなど先々を見据えた経営方針が素晴らしいと感じます。