鏡に映る姿と人は鏡

 イソップ物語の骨を加えた犬の話ではありませんが、動物はサルを除いて自分だと認識できないようです。人間も3歳児までは区別がつかないようで、赤ちゃんは不思議そうに鏡に映る自分の姿を見ています。さて倫理法人会の教えの中に、「人は鏡」という一説があり、その中で「人は人、自分は自分と別々の生き物であると考えるところに、人の世のいろいろの不幸が兆す。実は人はわが鏡である。自分の心を映す影像にすぎぬ」とあります。要約すると親子、夫婦、友人、隣人、同僚などはすべて自分の鏡であり、自分の心次第で変わっていくもので、ゆえに他を変えようとせずまず自分を改め、変えることが大切という教えです。諺の「人のふり見て我がふりなおせ」にも通じるかもしれませんね。