利他の心

 故稲盛和夫氏の盛和塾にお世話になり、「利他」という言葉を初めて聞いたとき、今までの自利を大いに恥じた記憶があります。現在中国でも師の教えは多くの経営者に広がっているようですが、我が国ではまだまだ自利が幅を利かせているようでとても残念です。二宮尊徳翁の「たらいの例話」にもあるように、水を自分に寄せようとするのではなく、相手に押すことで自然と自分に返ってくるのです。学生の頃から金銭面では自活し、卒業後は借金の返済等で苦労してきましたが、親を大切にし、自利の心を脱却して、利他的な行動をしてきたことで、今の自分があるのだと確信しています。