宝在心

 戦国武将の上杉謙信は屈指の戦上手で、「越後の龍」とも呼ばれました。彼を祀る山形県米沢市の上杉神社の石碑には、『上杉謙信公家訓十六ヶ条』が刻まれています。この十六ヶ条の別名は『宝在心』で謙信は「宝は心に在り」と説きました。物質的な富や権力よりも、心の中にある人格や徳が真の宝であると示したものと考えられています。この七条目「心に邪見なき時は人を育つる(間違った見方がなければ人が従ってくる)」とあります。義を重んじ、正しい道を歩もうとする謙信だったからこそ、多くの武士が付き従ったのでしょう。常に人格を磨く努力をすることが肝要です。