4月下旬から5月上旬の立夏迄に使われる時候の挨拶に「麗春の候」があります。麗春とはヒナゲシの事得あり、また虞美人草の異名としても有名です。個人的にはヒナゲシはアグネスチャンの歌を思い出し、虞美人草では中国最強の武将と言われる項羽の愛人「虞姫」が浮かびます。史記を読むと、項羽の前で足手まといになることを嫌って自殺した虞姫を「虞や、虞や」と嘆く項羽の姿が臨場感いっぱいに綴っています。また夏目漱石の初めて紙上で連載された作品の名前でもあるので、それも有名です。いろいろな名前がありますが、春のから初夏の情景を感じさせてくれる花です。