ナッジ理論 後編

 足跡マークは誰もが直感的にマークの世頃で待つのだと理解して従おうとします。これが「前の人と最低1mの距離を空けて並んでください」と掲示しただけなら効果は小さいのです。文章を読む人は少ないうえ、読んだとしても従う気にならないのです。その点足跡マークは人を不快にさせず自然に並ぶという行動を取ってもらえるのです。ノーベル経済学賞を受賞した米シカゴ大のセイラー氏が経済学に心理学を取り入れた行動経済学を発展させ、ナッジ理論が高く評価されました。費用があまりかからないことから、世界の公的機関に広まり、今や200以上で政策にナッジ理論を取り入れています。