これでいいのだ

 故赤塚不二夫氏の代表作である『天才バカボン』は、1967年に掲載され、爆発的な人気を博してアニメ化され、現在も多くのメディアやCMでも登場しています。定職に就かず自由奔放な生活を送り、「これでいいのだ」が口癖の「バカボンのパパ」と周囲の人々が織りなす愉快な物語は、私の記憶にも強烈に残っています。赤塚氏は2008年に亡くなりましたが、告別式でタレントで彼の弟子だった森田一義氏(タモリ)は弔辞で「あなたの考えはすべての出来事、存在をあるがままに前向きに肯定し、受け入れることです」と述べ、これを見事に表したのが「これでいいのだ」だと評しました。いろいろな解釈はあるでしょうが、『トキワ荘』の住人の一人であり、現在の漫画家たちに多大な影響を与えた氏の功績は少なくないと感じます。