今回は「徳川秀忠」です。秀忠は歴史上では家康と家光の間に隠れがちな存在ですが、日本史に残る最強の二代目としている学者もいます。父の家康とは全く違うタイプの人間で、家督を譲られたのち、家康が大御所となり権力を保持していても、父と競争することなく時代の家光の時に盤石な体制がとれるよう腐心しています。秀忠が「関が原に遅れた」とか、「性質のお江の尻にひかれた」などは高背の歴史小説が作り上げた話である可能性が高いようです。結果的に見ても、三代家光の時代に幕藩体制は確立し、265年に及ぶ江戸時代が続くのですから、世代交代が最もうまくいったケースだと解釈できます。現在の事業継承において、とりわけ世襲の問題に通じると思います。