武将に学ぶⅧ 上杉謙信

 彼ほど戦に愛された武将はいないかもしれません。ひらめきで行動する人物のようで、家臣に対して戦う理由を説明することは稀有だったといいます。幼少から禅の修行に励み、真理を追い求めた彼には家臣などとまとめる世間知が乏しかったのかもしれません。一族の中で反乱が起きた際に「仏門に帰る」と高野山に向かいました。家臣らの説得で事なきを得ましたが、戦国武将の中で自ら国主の座から去ったのは謙信だけです。1561年に北条氏の小田原城に迫りましたが、武田信玄が信濃に向かったという報を受けて、謙信は信玄は動かないと読み攻撃準備をしましたが、味方の武将に動揺が広がり引き返さざるえませんでした。歴史にifはありませんが、この時北条氏を攻め落としていたら、そのまま今川氏を攻め、織田信長の躍進はなかったでしょう。