不景気が長引く中国では、かつての高級志向からコスパ重視になったようで、北京の中心部では食べ放題で30元(約650円)程度のレストランに行列ができ、「貧乏セット」を呼ばれる格安メニューが人気を博しています。不動産不況が原因で景気回復の兆しは見えず、かつての我が国のようにデフレ不況に陥りかねない状況です。ただ私が訪中していた10年以上前は5元で十分食事ができたのですから、短期間で大きく発展した国であることは間違いありません。以前は「アメリカがくしゃみをすると世界が風邪をひく」と言われましたが、中国の不況も大なり小なり世界経済への影響は避けられないと感じます。
 私の趣味の一つが旅です。思わぬ発見と様々な刺激を得ることが多いからです。幼かった子供たちとの旅は例外ですが、アジア各地への旅では我が国との経済格差や環境の違いに唖然としました。アメリカなど先進国への旅では英語の必要性と習慣の違いを痛感しました。4年前にアフリカを訪問した際は、あまりの格差に愕然とし、支援の必要性とぬるま湯に浸っている我が国の危機感を感じました。これらの気づきは人生に大いに役立っています。
 今日は端午の節句ですね。子供の頃はあちこちで鯉のぼりが空を泳ぎ、まさに「いらかの波」でした。空き地が多かったからでしょう。祖母から買ってもらった鯉のぼりを親父が家の近くの空き地に棒杭を打ち込み、てっぺんに風車をつけて、5枚泳がせてくれました。両親と三人兄弟分なのでしょう。その記憶は今でも鮮明に残っています。しかし都会ではその風物詩である鯉のぼりを見かけること自体少なくなっています。かくいう自分は親父のように息子のために鯉のぼりを泳がせたことはなかったので、何も言う資格はありませんが…。
 先々月香港で国家機密の搾取などを取り締まる新たな条例が施行されました。根強い反対で20年以上導入が見送られてきたにもかかわらず、今回は抗議の動きは全く見られませんでした。反体制活動を禁じた国家安全維持法の効果もあったのでしょうが、10年ほど前の抗議デモで人があふれていた状況とはあまりの違いです。抵抗なき香港の姿は守るべき自由が、既に中国政府によって根こそぎ取り上げられた証拠なのかもしれません。「デモの都」から「沈黙の街」へと変遷したことで、『東洋の真珠』と言われた姿をもう見ることはないのでしょうか…。
 先月新しいパソコンを購入しました。今まで家と会社でそれぞれ1台ずつ使用していましたが、前者はウィンドウズ10で保証も切れており、最低限度しか利用していません。また後者は格安なもので機能的に使いづらいという問題がありました。今回は主唱されたこともあって購入したのですが、性能も高く使いやすいので、買ってよかったと思っています。ただ高い性能のパソコンを使いきる技量に乏しい自分には、身分不相応な商品だと自覚しています。使いこなせるほどの技量を磨けばよいのですが、年齢を言い訳にする自分がいて、情けないですが、なかなか難しい現実があります。
 知っている方もいると思いますが、上から読んでも下から読んでも同じ言葉です。「逆さ言葉」と言います。「しんぶんし」「トマト」と同じです。最初聞いた時は何を言っているかと思いました。長いものには「鶏と小鳥と鰐(にわとりとことりとわに)」などがあるそうです。思わず笑ってしまいます。日本語は別な意味で面白いですね。
 「出稼ぎ」といえば雪国の人が農閑期に都会で働く、貧しいアジアの人々が金満大国日本に押し寄せてくる昔のイメージがあるかもしれませんが、令和の出稼ぎは真逆です。低賃金の日本に見切りをつけた若い世代が、次々とアジアに向かっています。他国より低賃金な日本をアジア人材は選ばなくなりつつあるという現状に加え、日本人ですら選ばなくなっている状況に強い危機感を抱きます。今回よりその辺を綴っていきます。1回目は「スキルを売る職人たち」です。寿司職人など板前、ペットトリマー、美容師など日本人の職人が一種ブランド化しており、待遇面でも日本の2倍以上で迎えられています。真面目に取り組む日本人の気質は海外でも評判で、引く手あまたと聞きます。出稼ぎではありませんね。To be continued.
 GWに入りましたが、今年は円安の進行で海外旅行を控え、国内旅行に切り替えるといった国内回帰が目立っているようです。特に欧米諸国では日本と比べて物価上昇が激しいため、滞在費以外の食費や観光スポットの入場料などが、にわかに信じがたい価格となっています。卵1パックが1200円、ラーメン1杯が2500円では注文する気も起きませんし、手が出ません。アジア諸国はまだそれほどではないので、そちらに流れているようですが、この状況はいつまで続くのでしょうか。それだけ日本の相対的価値が下がっていることの裏付けかもしれません。
 元来滑舌が良い方ではありません。どちらかと言えば悪い方です。従って早く話そうとすると、うまく舌が回らないため語尾がはっきりせず、聞き返されることが結構あります。ゆえに早口言葉は苦手ですね。お笑いの対象になってしまいます。日本人は元来口をあまり開けずに話しますが、私はさらに口を開けずに話すので余計舌が回らないのです。できる限り注意しているのですが長年の癖がつい出てしまいます。困ったものです。
 超円安の進行と相まって訪日外国人によるインバウンド消費のプレミアム化が止まらないようです。東京都内にオープンした商業施設では1食6980円の海鮮丼が飛ぶように売れています。この店の客の6,7割は外国人で、1日に300食も売れ、平日でも午後2時台で品切れになるメニューもあるそうです。また北海道ニセコでは鰻丼が3800円、焼き鳥丼が2000円で売られている店もあります。お客様の95%は外国人です。「インバウンド丼」という新語も生まれました。デフレに慣れた日本人にはあり得ない金額ですが、欧米ではインフレの進行が進んでいることと30数年ぶりの円安もあり、この値段でも国内で食べるより安いと言います。訪日観光客がますます増えることでしょう。

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